行政書士試験という難関に挑戦して合格発表を待っていますか?
あなたの合格を心から願っています。
昨年より前に行政書士試験を突破されたあなた、本当におめでとうございます。
しかし、その喜びと同時に、「本当にこの資格で食べていけるのだろうか」「開業しても、競争が激しいのではないか」といった不安から、登録や開業という次の一歩をためらっている方も少なくないのではないでしょうか。
もしあなたがそう感じているなら、今こそ、その不安を払拭すべき時です。
2026年1月1日に施行される改正行政書士法は、単なる条文の変更ではありません。
この職業の価値と未来を劇的に変える、歴史的な転換点なのです。
今回の法改正は、これから行政書士としてのキャリアをスタートさせるあなたにとって、最大の追い風となります。
なぜ今が絶好の機会なのか、その理由を具体的に解説していきましょう。
もはや「代書人」ではない。「使命」を背負う法律専門職へ

改正法で最も象徴的な変更は、法律の根幹である第1条にあります。
これまで「目的」とされていたものが「使命」へと格上げされ、その役割が国家によって再定義されました。
「行政書士は、その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資することを使使命とする」(改正法第1条)
これは単なる言葉の変化ではありません。
この一文により、行政書士法は弁護士法や司法書士法といった他の主要な法律専門職の法律と肩を並べることになりました。
これは、行政書士が単に行政手続を代行する「代書人」から、国民の側に立ってその権利を守るという憲法上の要請に応える「法律専門職」として、国に正式に認められたことを意味します。
この哲学的な基盤をさらに強固にするのが、新設された「職責」規定(第1条の2)です。
ここでは、常に品位を保ち、法令と実務に精通し、公正誠実であるべきことが法的に義務付けられました。
つまり、「使命」という高い理想が、日々の業務における具体的な倫理観と不断の研鑽義務によって裏付けられたのです。
私たちは今後、より高い公共性を背負い、行政と国民の間に立つ「街の法律家」としての役割を担うことが、これまで以上に強く期待されています。
仕事の幅が劇的に広がる:特定行政書士の権限拡大
改正法がもたらす実務上のインパクトが極めて大きいのが、特定行政書士の業務範囲の拡大です。
これまで特定行政書士が代理できた不服申立ては、「自らが作成した書類」に係るものに限定されていました。
しかし、今回の改正によって、その範囲は「行政書士が作成することができる書類」全般へと大幅に拡大されました。これにより、国民の権利救済の可能性が劇的に広がったのです。
具体的には、以下のような業務が可能になりました。
- 本人が申請して不許可になった案件の救済 申請者ご本人が作成・提出した書類が不許可になった場合でも、その段階から特定行政書士が専門家として介入し、不服申立てを代理できるようになりました。
- 他の専門家や無資格者が関わった案件の引き受け 他の行政書士はもちろん、資格のないコンサルタントが作成した不適切な申請によって依頼者が不利益を被った場合でも、その後の紛争解決を引き受けることができます。
- 申請から不服申立てまでの一気通貫サポート 許認可の申請段階から、万が一不許可になった場合の不服申立てまで、一人の専門家が責任を持って対応できます。これにより、事実関係の把握や論理の一貫性が保たれ、より迅速かつ的確な権利回復が期待できます。
この権限拡大は、国民にとっての利便性を飛躍的に高める「ワンストップ紛争解決」を実現するだけではありません。
行政庁の違法・不当な処分に対し、我々が国民の側に立って専門的な反論を行うことで、行政の自浄作用を促すという重要な役割も担います。
これは、単にクライアントを助けるだけでなく、法の支配を社会に行き渡らせるという、専門職としての大きなやりがいに繋がるのです。
「闇コンサル」はもう怖くない:クリーンになった市場環境

新規参入者が抱く大きな不安の一つに、無資格者による不当な競争がありました。
今回の法改正は、この問題に終止符を打つための強力な規制を導入しています。
グレーゾーンをなくす「いかなる名目」という一文
行政書士法第19条に「いかなる名目によるかを問わず」という決定的な文言が追加されました。
これは、税法の抜け穴を塞ぐかのように、「コンサルティング料」や「サポート料」といった名目で報酬を受け取り、実質的に行政書士の独占業務を行う脱法行為を明確に禁止するものです。
政府はもはや支払いの「名目」ではなく、提供されたサービスの「実態」で判断するのです。
これにより、これまで無資格業者が横行してきた補助金申請や自動車登録、在留資格申請といった分野での不当な競争が排除され、公正な市場環境が整備されます。
組織ぐるみでの違反を許さない「両罰規定」の強化
さらに、従業員が無資格で業務を行った場合、その行為者本人だけでなく、所属する法人(会社)にも最高100万円の罰金刑が科される「両罰規定」が、無資格業務(第19条違反)にも適用されることになりました。
これは企業コンプライアンスに対する重大な警告です。
組織ぐるみでの違法行為はもはや許されず、行政書士の独占業務は、これまで以上に強力に法的に保護されることになったのです。
未来に適応する:デジタル社会の「ナビゲーター」という新たな価値
今回の改正では、士業法として初めて「デジタル社会への対応」が努力義務として法律に明記されました(第1条の2第2項)。
これは、単にITスキルを身につけろという後ろ向きの要求ではありません。
むしろ、行政書士が「アナログな国民」と「デジタルな行政」とを繋ぐ、積極的な「デジタル・ナビゲーター」としての新たな社会的価値を持つことを国が期待している証です。
特に、ITリテラシーが高くない高齢者や、日々の業務に追われる小規模事業者にとって、行政手続のオンライン化は大きな障壁となり得ます。
私たちがAIや自動化技術を駆使して定型業務を効率化し、その上で専門家として彼らを導くことで、デジタル・ディバイド(情報格差)の解消に貢献できるのです。
これは負担ではなく、将来性のあるキャリアを築くための戦略的なアドバンテージと言えるでしょう。
最大の追い風が吹くいま、行政書士としての第一歩を
ここまで見てきたように、2026年の法改正は行政書士という職業のあり方を根底から変え、未来への確かな道筋を示してくれました。
要点をまとめると以下の4点になります。
- 「使命」を掲げる法律専門職としての社会的地位の確立
- 不服申立て業務の拡大による、ビジネスチャンスの増大
- 無資格業者の排除による、公正で保護された市場環境
- デジタル化をリードする、将来性のあるキャリアパス
この法改正は、まさしく、これからキャリアを始めるあなたにとって最大の追い風です。
かつてないほど社会的地位が高まり、業務範囲が広がり、市場がクリーンになった今、行政書士としてのキャリアをスタートさせない手はありません。
今こそ、その資格を活かし、社会から真に必要とされる専門家として羽ばたく絶好のチャンスです。
勇気を持って、その第一歩を踏み出してください。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!


コメント