【経験者は語る】新興国株式インデックス への投資をおすすめしない理由

投資信託

こんにちは。
今日は、最近人気のある投資信託の一つである「新興国株式インデックス」について、私の見解をお伝えしたいと思い記事を書きます。

オレは2年ほど前に「新興国株式インデックス」への積立投資を始めました。
具体的なファンド名は、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」です。

その後、1年間は毎月追加投資をしましたが、収益が上がらないことを理由に、追加投資をやめました
その後は、買い増しも売却もせず、いわゆる塩漬けの状態です。
ちなみに現時点で10%ほどの損失です。

今回の記事は、
【経験者は語る】新興国株式インデックス への投資をおすすめしない理由
と題して、オレが新興国株式への投資をお勧めしない理由をお伝えしたいと思います。

新興国株式インデックス への投資をお勧めしない理由

新興国株式インデックスファンドは、新興国の株式市場に連動するインデックスファンドです。
手数料が安く、分散投資ができるというメリットがあります。
しかし、オレはこのファンドへの投資をお勧めしません。不要とまでは言いませんが。。。
理由を3つ挙げます。

政治的・経済的・社会的なリスクが高い

新興国株式インデックス への投資をお勧めしない理由の1つ目は、
政治的・経済的・社会的なリスクが高い
です。
それぞれにリスクについて説明します。

政治的リスク

新興国は、政治的に不安定な場合が多くあります。
政権交代や政策変更、紛争やテロなどの事態が発生する可能性が高いです。
これらの事態は、株式市場に大きな影響を与えることがあります。

例えば、2018年にトルコで起きた通貨危機は、トルコ株式市場だけでなく、他の新興国株式市場にも波及しました。
FXでトルコリラに投資していた方は、大打撃を受けたのではないでしょうか?
FX市場から退場させられた方は少なくないでしょう。

また、2019年には、香港でのデモや米中貿易戦争などの政治的な問題が、新興国株式市場の下落を招きました。

政治的リスクは、予測が難しく、対策も限られています。
そのため、新興国株式インデックスに投資する際には、常に政治的な動向に注意を払う必要があります。

経済的リスク

新興国は、経済的にも不安定な場合が多くあります。
インフレーションやデフレーション、金融危機や債務危機などの経済的な問題が発生する可能性が高いです。
これらの問題は、企業の業績や収益に影響を与えることがあります。

例えば、2015年にブラジルで起きた石油会社ペトロブラスの汚職事件は、ブラジル経済全体に打撃を与えました。
また、2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの新興国の経済活動が停滞しました。

このように、経済的リスクは、変動が激しく、影響範囲も広いです。
そのため、新興国株式インデックスに投資する際には、常に経済的な指標やニュースに目を向ける必要があります。

社会的リスク

新興国は、社会的にも不安定な場合が多くあります。
人口爆発や貧困問題、人権問題や環境問題などの社会的な問題が発生する可能性が高いです。
これらの問題は、企業のイメージや評判に影響を与えることがあります。

例えば、2013年にバングラデシュで起きた衣料品工場の崩壊事故は、多くの国際的なブランドに批判を浴びせました。
また、2021年には、ミャンマーでのクーデターやウイグル問題などの人権問題が、多くの企業に対して社会的な責任を求める声が高まりました。

このように、社会的リスクは、感情や価値観に関わるため対応が難しく、影響が長期化することがあります。結局のところ、経済を動かしているのは大衆の感情なのかもしれません。

新興国株式インデックスに投資する際には、常に社会的な課題や動きに耳を傾ける必要があります。

以上のように、新興国株式インデックスに投資する際には、
政治的リスク、経済的リスク、社会的リスク
という三つの大きなリスクに直面する可能性があります。

これらのリスクは、新興国株式インデックスの価格やパフォーマンスに大きな影響を与えることがあります。
投資初心者の方は、これらのリスクを十分に理解し、自分のリスク許容度や目標に合わせて、新興国株式インデックスへの投資を慎重に判断してください。

なお、世の中は「アフターコロナ」という風潮ですが、新型コロナウイルスの感染拡大やワクチン接種の遅れなどにより、新興国の景気回復はいまだ不透明という意見も散見されます。

本当の意味での分散投資にならない

新興国株式インデックス への投資をお勧めしない理由の2つ目は、
本当の意味での分散投資にならない
です。

新興国株式インデックスとは、新興国や発展途上国の株式市場に上場されている企業の株式をまとめたものです。
しかし、その中身をよく見てみると、実はあまり多様ではありません。

例えば、MSCI新興国株式インデックスという有名な新興国株式インデックスを見てみましょう。
このインデックスは、約30カ国の約1400社の株式を含んでいますが、そのうち約40%が中国の企業です。
つまり、このインデックスに投資することは、ほぼ中国株に投資することと同じです。

また、このインデックスに含まれる企業の業種も偏っています。
約30%がIT業界、約15%が金融業界です。
つまり、このインデックスに投資することは、ほぼITと金融の2つの業種に投資することと同じです。

このように、新興国株式インデックスに投資することは、「本当の意味での分散投資にならない」というリスクがあります。
もし中国やIT業界や金融業界に何か問題が起きたら、大きな損失を被る可能性が高くなります。

また、中国・台湾・韓国などの株式市場は、日本と相関が高く、日本株と同じように動く傾向があります。
これでは、日本株との相補性が低く、リターンを高める効果が期待できません。
日本株だけを買っているのと同じリスクを背負うことになります。

為替ヘッジを行っていないファンドがある

新興国株式インデックス への投資をお勧めしない理由の3つ目は、
為替ヘッジを行っていないファンドがある
です。

新興国株式インデックスファンドのうちのあるファンドは、手数料が安いという点が売りです。
その一方で、為替ヘッジを行っていない場合があります。

為替ヘッジとは、外貨建ての資産を保有する際に、為替変動による損失を防ぐために行う手法です。
為替ヘッジを行わない場合、円安になると利益が増えますが、円高になると損失が発生します。
つまり、為替ヘッジを行っていないファンドへの投資は、為替リスクも背負うことになります。

トルコリラを例に説明

前述のトルコリラを例に、もう少し具体的に説明しますね。
まずは以下のグラフを見てください。

出典元:世界経済のネタ帳

このグラフは、2004年から現在までのトルコリラ円の推移を表したグラフです。
2007年の時点で、1トルコリラは90円ほどだったことが判ります。
しかし2023年現在、1トルコリラは8円ほど。
つまり、この15年ほどで円に対するトルコリラの価値は10分の1になってしまったのです。

このことが何を表すか?

仮に、あなたが購入した新興国株式ファンドが毎年5%の利益を上げて、順調に複利運用したとしても、
それ以上に通貨の価値が下落するということです。
その結果、どんなに高い運用益であっても、為替差益でいっきに利益が吹き飛んでしまうのです。

「そんなこと言ったって、いつかはプラスに転じるでしょう」
と主張するあなた!
甘い!甘い!甘いです!
おそらく、そんな日は一生来ません。

もちろん、為替ヘッジを行っていないファンドはたくさんありますし、同じ種類のファンドでも為替ヘッジを行うものと行わないものの2種類が用意されているファンドもあります。
ただ、新興国』という為替変動が激しい投資先に対して、為替ヘッジを行わないままお金を突っ込むのは、投資家としてどうか、と思っている次第です。

まとめ

今回の記事は、
【経験者は語る】新興国株式インデックス への投資をおすすめしない理由
と題して、オレが新興国株式への投資をお勧めしない理由を解説しました。

「新興国株式インデックス」への投資は、リスクが高く、リターンが低いという組み合わせだと思っています。
かく言うオレも、このファンドにかなりの額を投資してしまいました。
だからこそ言えます。新興国株式への投資は慎重に考えてください。

優良な投資先を探しているなら、以下の記事も参考にしてくださいね。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

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